チャンピオンズC~レーティングの観点から~

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2021年チャンピオンズCのレーティングが発表され、テーオーケインズは119ポンドという評価になりました。JPNサラブレッド・ランキングではカネヒキリ(119/08年)、ホッコータルマエ(119/14年)、クリソベリル(119/20年)らと同等の評価となりました。なお、ダートで歴代最高のレーティングを叩き出したのはクロフネで2001年JCDが125ポンドでした。テーオーケインズクロフネに続き歴代2位タイとなったということになります。

 

一方で、昨年優勝し117ポンドだったチュウワウィザードが今年2着で106ポンドでした。これに関しては、「テーオーケインズの119ポンドありき」「120ポンドをつけたくない意志を感じる」「120ポンドは世界的にも一流の証のラインだから仕方ない」「チュウワが走らなさすぎでこの着差なら妥当なライン」など賛否両論あるようです。

 

そもそも「レーティングとはなんぞや?」という方の為に簡潔に説明すると、「過去・現在の馬を単純に比較するために算出された数値」がレーティングという解釈で大丈夫です。その数値は、主に着差や斤量から算出されますが、欧州偏重や着差重視ということであくまで「レーティングという観点から比較した場合」という注釈がつきます。それもそのはずで、同距離であってもコース形態や芝質、砂質、要求される能力などが違うと結果が違うということは普段予想をしている方々なら重々承知しているはずです。要するに、話のネタ・酒の肴としてレーティングを嗜む程度が丁度いいのではないでしょうか。

 

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サウジカップを制したミシュリフ、ドバイワールドカップを制したミスティックガイドともに122ポンドとなりました。この数値から考えると国際競争とはいえ海外馬不参加のチャンピオンズCがこれらと同等の評価を与えることはできないという前提があったと推測できます。また120ポンドに乗せるということはカネヒキリホッコータルマエ、クリソベリル以上という数値的評価になります。このことから着差分を考えての最大限評価でテーオーケインズをかつての名馬たちと同等の評価をされたと推測できます。

 

20年 117 チュウワウィザード

19年 118 クリソベリル

18年 118 ルヴァンスレーヴ

17年 117 ゴールドドリーム

16年 117 サウンドトゥルー

 

もっと言えば、120ポンドの壁を突破できなかった点に賛否両論があるのは分かりますが、近年では一歩抜けた最高評価の119ポンドですからテーオーケインズの走り自体はしっかりと評価をされたとも考えられます。

 

ここで焦点となるのが、帝王賞G1昇格問題。近3年のファイナルレースレーティング(FRR/上位4頭のレーティング平均)と直近年FRRが115ポンド以上でJpn1→G1へ昇格可能。2020年FRR116.50ポンド、2021年(12月15日現在)FRR113.75ポンドですので、2022年の帝王賞FRRが115ポンド以上で「帝王賞G1昇格」がいよいよ現実味を帯びてきます。

テーオーケインズだけが頑張っても帝王賞G1昇格が叶うものではありませんが、今後サウジ→ドバイと転戦し上々の結果を引っさげて2022年帝王賞を優勝するとなればFRR115ポンドは達成可能な数値であると考えます。

充実期を迎えたテーオーケインズの今後の飛躍を期待しつつ、日本ダート界の牽引を願っています。