【天皇賞秋2022】

■近年の天皇賞秋(良馬場)

21年 24.3-23.9-24.3-22.9-22.5 1:57.9

20年 24.4-24.2-23.9-23.6-22.6 1:58.7

19年 24.2-23.1-23.3-22.4-23.2 1:56.2

18年 24.4-23.3-23.3-22.2-23.6 1:56.8

16年 25.3-23.5-24.3-23.5-22.7 1:59.3

 

■ジャックドール

23.5-24.1-24.1-24.2-25.3 [3-4-3-2] 1着 札幌記念(札幌2000)

22.6-24.2-24.1-23.2-24.3 [1-1-1-1] 5着 大阪杯(阪神2000)

23.5-24.1-23.4-22.6-23.6 [1-1-1-1] 1着 金鯱賞(中京2000)

24.1-23.6-23.5-22.4-23.8 [1-1-1-1] 1着 白富士S(東京2000)

24.2-23.5-24.5-22.9-23.3 [1‐1‐1‐1] 1着 ウェルカムS(東京2000)

全体的なスピードを武器に「一貫ラップ+ややバテ」の展開で勝利を重ねてきました。モーリス+Unbridled's Song+Shadeed+Mr. Prospectorから米国系の追走力・欧州系の失速耐性を武器にすることが想像できるため血統面からも能力バランスを補足できます。

一方で緩急の大きな展開となった大阪杯でパフォーマンスを落とした点は見逃せません。これまでの走りからも「急加速力」が要求された場合はエネルギー消耗度が大きく、秀でる失速耐性でも補えていないほど失速しています。

東京芝2000mは大回り&長い直線&スパートポイントが上り坂などからキレの要求度が高いコース形状です。どう走ってもキレを要求される≒エネルギー消耗度が高くなることを考えると、番手からうまく運んでも主流血統やキレを武器とするタイプを相手に苦しい競馬となりそうです。先行しアドバンテージを利してバテバテでも粘り込むタイプでもなく、番手で脚を溜めても早い脚を使えるタイプでもなく、天皇賞秋での好走域はかなり狭いと判断できます。上位人気ならば疑ってかかるべきでしょう。

 

■カラテ

天皇賞秋はマイル指向の追走速度が活きるレースとなることがしばしば見受けられます。今回の出走メンバーで唯一のマイル重賞での勝ち鞍があることは、追走力優位による余力確保に大きく貢献するはずです。

24.5-23.8-24.7-23.3-22.6 1:58.9 新潟記念

いわゆるパワー型マイラーのカラテでしたが、前走は新潟2000mを上がり2位で勝利。パワー型マイラーは距離延長では中距離指向の末脚不足でパフォーマンスを低下させるのが一般的な傾向です。カラテはトップハンデを背負いながらこの走り≒マイル指向のスピードを末脚に転換させたことは評価すべき走りでした。加齢によりマイル戦線での活躍は難しく、好走距離が延長方向にシフトしていることも推せる要因のひとつです。

とはいえ中距離で一線級相手では分が悪いので内枠GETは好条件となります。パンサラッサのペースで少なくとも末脚不足の馬がさらに余力を失うとすれば、追走力優位のカラテが内々からしぶとい走りを魅せても驚けません。今回唯一の激走候補としたいです。

 

 

■展開想定

かなり突っ込んで逃げるパンサラッサが内枠。近走はややダッシュ力不足からハナを奪っていましたが内枠GETならばハナは確定的。思い返されるのはシルポートの存在。トーセンジョーダンのレコードを演出した1000m通過56.5秒、翌年も1000m通過57.3秒で逃げた玉砕覚悟の逃げ馬でした。パンサラッサも玉砕覚悟・バテ比べ上等の逃げ馬。

焦点は番手以降の集団がコレについていくかどうか。ついていけばトーセンジョーダンの勝った年、ついていかなければエイシンフラッシュの勝った年となります。ハイペースだからすなわちバテ比べだと決めつけるのは、エイシンフラッシュが33.1秒の末脚を繰り出して勝ったこととの整合性がつきません。

さて、パンサラッサを追いかける存在がどうか。バビットはこれまでテンで突っ込んだ経験がなくパンサラッサを追いかけるメリットがありません。横山典弘騎手がレースを壊すような騎乗もあまり想像できません。ジャックドールもマイペースで走ることが好走への至上命題でもあり巡航速度オーバーで追いかけるメリットがありません。ノースブリッジは距離短縮指向のスピード不足&岩田康成騎手の野性的レース感覚からオーバーペースを避ける競馬が推測されます。このことからもただでさえ玉砕覚悟が分かっているパンサラッサにメリットを求めて追いかける番手陣営がいるとは思えません。ここはエイシンフラッシュの2012年パターンを想定します。

 

■結論