【南部杯2022】

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フェブラリー取扱説明書でも述べているのように、フェブラリーS南部杯の関連性は深い。ワンターンマイルというコース形態や高速決着がその要因となっています。ただし、ワンターンマイルといっても東京1600と盛岡1600ではレイアウトが真逆。盛岡1600はスタートから3コーナーまで約900mを走ります。つまり序盤の走りがレースの大半を占めており、先行力の要求度が高いレースといえます。それを裏付けるように、上がり最速馬がほぼ馬券になるフェブラリーSとは違い、南部杯は末脚の早さが即直結するようなレースではないことを示しています。

 

次にもうひとつの共通点である高速決着に焦点をあてます。

近年の南部杯は特に高速化が顕著で、一昨年は日本レコードを叩き出したほどです。この時期の盛岡は秋が深まり、週中に降雨があればなかなか馬場の乾燥が進まない&オーロパークの地理的に朝露の影響を受けやすいといった「高速決着への後押し」となる条件が重なりやすくなっています。

一方で、かしわ記念の勝ち時計をみると南部杯より4~5秒ほど遅いものになっています。これはコーナーを4回周る≒減速機会が多いことが関わっていることは言うまでもありません。冒頭でも述べているように南部杯フェブラリーSは関連性が深いですが、かしわ記念はそれほど高いと言えないのが現状です。もちろん強い馬は強いので関連性云々を能力で突破してきますが。近年のフェブラリーS勝ち馬でいえば距離短縮指向の能力に秀でるモーニンが初の周回コースで凡走、末脚のトップスピードに秀でるノンコノユメが凡走、高速決着適性に秀でるカフェファラオが凡走と、いずれもフェブラリーSでのパフォーマンスをかしわ記念では微塵も出せずに終わっています。

これらから南部杯は先行力が要求される高速決着≒距離短縮指向のスピードが活きやすいレースという解釈ができます。そのあたりはタガノトネールノボバカラ、ヒロシゲゴールドが人気馬を退けて2着している点からも明らかではないでしょうか。

 

今回注目したいのが、ヘリオス

近走の敗因は端的に言えば決着タイムの遅さ。中央でのダ1400戦は1分22秒3~1分23秒7で走破しており、その平均は1分22秒9。このうち自己ベストと思われるパフォーマンスを示したのが2021年グリーンチャンネルC。やや緩いながれを逃げ切った走り≒末脚優勢となりやすい東京ダ1400で全体的なスピードを活かした走りでした。

黒船賞が1分30秒5、さきたま杯が1分25秒9という決着。高速決着寄りの全体的なスピードを活かしてこそ能力を発揮するヘリオスにとって、ここ3戦の地方交流重賞は時計の遅さから能力を発揮する場面がなかったとも言えるのではないでしょうか。ダート牡馬としては軽量な馬体やオルフェーヴル×フレンチデピュティ×フジキセキという血統構成からもパワー指向の能力が要求されたローカルダートは苦しかったはずです。

南部杯は高速決着になりやすく距離短縮指向のスピードが活きやすいレース。周回コースだった近走から得意のワンターンコースへ舞台条件も好転。1400mで全体的なスピードを活かす競馬が身上のヘリオスにとっては近走の汚名を挽回する最大のチャンスとなりそうです。

 

■結論

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本命は、カフェファラオ

 

ワンターンマイルの高速決着適性は実績のとおり抜群で非の打ちどころがありません。ここは単勝1倍台でもおかしくない状況ですが、南部杯連覇中のアルクトスという存在とローカル適性への不安がオッズをやや甘めに仕上げると踏んでいます。最近の南部杯は高速化が進んでおり、当日降雨の影響から時計の出やすい馬場が想定されます。かしわ記念では周回コースの低速決着がゆえに敗戦しましたが、南部杯の傾向と想定される馬場からはローカルダートであろうと問題ないと考えます。強烈な適性を魅せる反面、適性外ではコロッと負けるというのはよくあることです。今回は強烈な適性を魅せつけられる状況です。

 

同様にアルクトスもワンターンマイルへの高速決着適性は抜群です。関連性が深いはずのフェブラリーSで結果がでないのは末脚不足が敗因。東京ダ1600と盛岡ダ1600のコースレイアウトが真逆というのはこれまでに触れてきたとおりで、先行力とやや距離短縮指向のスピードが武器のアルクトスが南部杯だけで活躍する理由はここにあります。衰えをやや心配する年齢ではありますが、これだけの実績馬が加齢で成績急落した例はあまり記憶にないことから無問題にBETしたいと思います。

 

残る1席に推すのはヘリオス武豊。3番人気であろうソリストサンダーはやや末脚に寄ったタイプで、昨年ヒロシゲゴールドを交わせなかったシーンが印象に残ります。今年のフェブラリーS4着は負けて強しの内容ではありましたが、距離短縮指向のスピード不足や高速決着で末脚を伸ばした経験が乏しいこと(≒逆にかしわ記念2年連続連対)から南部杯でパフォーマンスを発揮しづらい状況にあると考えます。

 

カフェファラオ

アルクトス

ヘリオス

ソリストサンダー