【大阪杯/回顧】

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5F:59.8-61.3

2F:23.5-24.2-24.9-24.3-24.7

ハイペースのなかでも緩急をつけたラップ推移。定番の序盤緩く→ミドルスパートとは違う展開。全体的なスピードを活かしつつ大型馬相手に有利な加減速を活かせたことが小柄なディープ牝馬でも好走できた要因。また、外伸びの前有利という馬場状態を活かした川田騎手の勇気と進路取りも見事。まさにGⅠ級の騎乗を魅せました。

 

レイパパレの能力を活かし切った競馬だったことは間違いありません。そのうえでコントレイル、サリオス、グランアレグリアがパフォーマンスを発揮できなかった事実もあります。

 

3着:コントレイル
「スタートはうるさいながらも五分に切ってくれました。前半流れていたので、思ったよりも後ろの位置になりました。今までは長い距離中心に使っていたので、前半のスピードの乗りからあの位置になりました。馬場もそんなに苦にはしていませんでした。3コーナーぐらいから、こういう馬場の状態でしたので動いていきました。最後は脚が上がりました。思っていたより馬場の悪化が進んできましたし、ラストは苦しくなってしまいました。しっかりラストまで、グランアレグリアに関しては競り勝ってくれました。動いていかなければいけない立場の馬ですから、こういう競馬になりました。勝ち馬は強かったですね。この馬場でも止まりませんでした」(福永騎手)

前掛かりの展開になったことで追走力不足を露呈≒位置取り後方寄り。この時点で外伸び前有利の馬場の餌食になることが確定的。さらには道中動いたことにより持続力を駆使。高速馬場でのスピード競馬に高い適性を持ち、総合力高い末脚もどちらかというとキレ優位。持続力の駆使は適性外の能力を使ったこととなりエネルギー消費が激しかったことを意味します。レース前半でも後半でも逆風を受けるかたちとなったコントレイル。いくら無敗の三冠馬といえどもこれは厳しい条件が揃ってしまいました。それでも3着を確保は底力を示したといえます。当然次走以降での巻き返しに期待したくなりますが、宝塚記念=梅雨時期の阪神内2200mはふたたび適性外の能力駆使に引きづり込まれる可能性が高いレースです。ディープインパクト×米国血統や馬体増の背景からも距離延長適性は怪しくなっている可能性が高いです。スピード競馬かつ高い末脚力を発揮が叶う天皇賞(秋)まで強気になれるレースがないのでは。

 

4着:グランアレグリア

距離の壁は感じさせませんでした。タフ×道悪の馬場でコントレイルの進出に呼応する競馬で4着は立派の一言。陣営の挑戦した気概も含めて称えるに値する競馬でした。改めてこの馬の能力の高さを確認しました。今回は結果が伴わなかっただけです。再度の挑戦を心待ちにしたいと思います。スプリント質のスピードを活かした競馬かつ末脚はワンペース。この能力を活かせる舞台は安田記念もしくは天皇賞秋(良馬場)。

 

5着:サリオス

戦前から公言していたように道悪が響いたとのこと。外伸び馬場を終始ラチ沿いを走る≒逆グリーンベルト。展開的にはハイペースでも追走力不足を感じさせるところはないが、逃げ馬の生み出す細かな緩急が持続力優位のサリオスにとっては適性外の能力発揮となった≒エネルギー消費大きい。余力を削がれた状態で最後の直線は逆グリーンベルトを進んだとなれば大失速してもおかしくはない。それでも踏ん張って5着はこちらもまた能力の高さを示したといえます。適性はやはりマイル。持続力優位のミドルスパート性能もマイルでこそ活きるものと断定できます。中距離での好走は距離短縮向きの質感が必要。

 

このように上位人気3頭は能力だけで掲示板を確保したといえます。強い馬が必ずしも勝つとは限らないのが競馬。適性を最大限活かして激走するのが競馬。そんなことを再確認させてくれるレースだったと思います。レイパパレに関しては宝塚記念でも同様の競馬となりそうですが、こういった競馬が大得意のクロノジェネシスがいますからどうなりますか。いずれにしても今年も牝馬が席巻するんでしょうか。